この記事の目次
結論から言うと「どちらも正解」
化粧水をつける時に、手でハンドプレスをして行うか、コットンでパッティングをして行うか…。
一体どちらが効果的なの!?
みなさんもこの疑問に陥ったことがあると思います。
結論から言うと、手とコットン、どちらで行っても正解です。
というよりも、どちらで行っても正解にも不正解にもなるのです。
手とコットンで化粧水を浸透させるには、どちらにもメリットやデメリットがあります。効果をしっかりと出したければ間違えたやり方をしなければどちらも正解なのです。
(※1)
コットンは手以上に肌にダメージを与える
コットンでパッティングをしていると、より深く肌に浸透している気分になり肌にとっても良い効果を出しているように思い、一見肌に優しいと思うかもしれません。
しかし実は、コットンの繊維は微量ながらでも肌への刺激となっているのです。
皮膚表面のちょっとした凹凸にコットンの繊維が引っかかったり、毛穴部分を傷つけてしまう可能性も高く、コットンでパッティングを長期的に続けているとシミなどの肌老化の原因にもなってしまう恐れも。
いくら高級な厚手でふわふわとしたコットンを使っていたところで、水分を含んでしまっては薄くて硬く変化し、濡れて空気が抜けてしまえばそれは繊維の塊となってしまいます。
その繊維の塊で毎日肌をパッティングしていては、刺激は肌に直に伝わり蓄積され、コットンは手以上に肌にダメージを与えてしまうのです。
(※2)(※3)
手だと化粧水が手に吸収される?
例えば手のひらに化粧水を出してしばらく置いておいても、化粧水はどんどん吸収され減っていくなどということはないですよね?
もし手が化粧水をつけている間に瞬時に吸収してしまうのが本当だとすれば、日常で使っている洗剤なども、瞬時に吸収され食器を洗うことはできないはずです。
そもそも人の皮膚は、そのように瞬間的にものを吸収したりできないようになっているのです。
(※2)
手のメリット4つとデメリット1つ
手で化粧水をつけるメリット4つ
メリット1、化粧水が体温で温まり肌に浸透しやすい
メリット2、肌への刺激が少ない
メリット3、肌変化に気付きやすい
メリット4、使用量がコットンに比べて少なく済む
メリット1、化粧水が体温で温まり肌に浸透しやすい
手でつけることでの最大のメリットは、化粧水が手の体温で温まることで、肌への浸透効果が高まることです。
洗顔後直後やお風呂上がりなど、肌の柔らかい状態で行うとより一層肌への浸透効果が期待できますね。
(※1)(※4)
メリット2、肌への刺激が少ない
最初にも話した通り、手のひらで化粧水を浸透させるのはコットンよりも肌ダメージが少ないです。
だからといってハンドプレスをするときにパチパチと叩いていては、その刺激で赤ら顔やシミの原因になることもあるので注意しましょう。
優しく顔全体を包み、押し込むようにして浸透させましょう。
(※5)
メリット3、肌変化に気付きやすい
手で化粧水をつけることで、コットンで行うよりも肌トラブルの発見を早く見つけることができます。
直接手で触れているのでもちろんなのですが、指先はとても感覚が鋭く、わずか1ミリメートルの100分の1程度の凹凸をも認識できるほどなのです。
わずかな肌トラブルをも敏感に反応することができるので、肌を傷つけないように手の力を調節することが可能なので、刺激による肌トラブルの悪化を防ぎ、また早めのケアをすることができます。
(※1)(※3)
メリット4、化粧水の使用量がコットンに比べて少なく済む
コットンは肌との間に摩擦が起こらないよう、コットン全体に染み渡りひたひたになるまで水分をしみこませて使わないといけません。
それに比べると手で行うハンドプレスの方が化粧水の使用量はコットンに比べて少なく済むのでコストパフォーマスもよくなりますよね。
(※4)
手で化粧水をつけるデメリット1つ
①ムラができやすい
手はコットンに比べ、指の間などの凹凸が発生し、液状である化粧水を手でつけると顔全体を均一に行き渡らせることは難しいです。
小鼻や乾燥しやすいところなど、気になるところは別で再度重ね塗りをしっかりしなければなりません。
(※6)
手で化粧水をつける効果的なやり方と注意点
せっかく、手の方が肌ダメージが少ないんですからより効果的に化粧水をつけたいですよね?
いつも何も気にせずパシャパシャ!とつけているだけの方がいる場合、この機会にやり方を見直してみませんか?
使用量はメーカーごとに異なりますので、メーカーごとの使用量を参考にしてつけるようにしましょう。
たくさんつければそれだけたくさん浸透する!と思って大量の化粧水をつけないようにしましょう。
使用量以上をつければ、つけた分の大半は蒸発してしまいますので、必ず使用量を目安に化粧水を取りましょう。
手のひらに化粧水を出したら、両手で顔全体にさっとなじませます。
このときパチパチと叩き込む必要はありません。
手でパチパチと叩く刺激から赤ら顔やシミの原因になることもあるので、手のひら全体を使って優しく肌を覆い、押さええ込むようにしましょう。
最後に再度少量の化粧水をとり、目の周りやフェイスラインに手のひらを使って軽く押さえなじませましょう。
(※5)
化粧水をつける時の注意点
・顔を強くパチパチ叩かない。
・必ず清潔な手で行うこと。
・目の周りは力を入れないようにする。
(※4)(※5)
コットンはムラなく塗布できるが、肌にはダメージ
コットンを用いる場合は、化粧水をコットンに染み込ませ、軽く叩き込むようにしながらなじませるのが一般的です。
液状である化粧水は手に比べコットンでつける方が、顔全体にムラなく塗布することができるため、化粧品メーカーではコットンを使用し、顔全体になじませるように推奨しているところが多いです。
しかし、いくら高くて上質なコットンを使えど、コットンを上に滑らせる・力を入れ過ぎてしまい強くパッティングをするなど、些細な扱い方の間違でも、角質層は小さな傷がつきやすいのです。
角質層に傷がついてしまうと、水分が蒸発しやすくなる・外からの刺激を受けやすくなってしまうなどの影響があり、それは肌の乾燥・肌老化を招く原因になってしまう場合もあるのです。
(※5)(※6)(※7)
コットンのメリット3つとデメリット3つ
コットンで化粧水をつけるメリット3つ
メリット1、肌にムラなくつけられる
メリット2、水運保持力が高い
メリット3、使用後の肌感触が良い
メリット1、肌にムラなくつけられる
コットンは、手で化粧水をつけるよりも多くの化粧水を吸収してしまう分、1度の使用量が多くなってしまいます。
しかしコットンは手よりも化粧水を無駄なく全て受け止め、凹凸のないコットン面が肌にしっかりフィットすることで、全体にムラなく均一に伸ばしやすいのです。
そのためムラになりにくく、肌全体に化粧水が浸透しやすくなります。
(※1)(※4)
メリット2、水分保持力が高い
株式会社エフシージー総合研究所による「化粧用コットンによるパッティングのスキンケア効果」にて、手とコットン、どちらの方が水分保持力が高いのかを実験しました。
この実験結果によると、手で化粧水をなじませるよりもコットンでパッティングを行った方が、20分後の水分量が大きな差はないものの高いことがわかりました。
「コスメティックQ&A事典―化粧品のすべてがわかる」に書かれている実験結果でも、同様に肌の水分量を計測すると、翌朝もコットンでパッティングした方が水分量が高いことがわかっています。
パッティングした後に、ローションパックをプラスすることで肌の保湿効果が持続することも明らかとなっています。
(※8)(※9)(※10)
メリット3、使用後の肌感触が良い
化粧水をコットンでつけたところ、
しっとり感・もちもち感・柔軟感・滑らか感・ざらつきのなさ・たるみ引き締め感・毛穴の引き締め感・血行改善効果
など、短期で集中して行うことで肌調子の良さを感じやすいようです。
(※9)(※10)
コットンで化粧水をつけるデメリット
デメリット2、使用量が多くなる
デメリット3、赤ら顔になりやすい
デメリット1、肌への刺激がある
コットンで化粧水をつけることでの、一番のデメリットと言えるのが、この”肌への刺激”です。
コットンでのパッティングは、いくら優しくやっていても、角質層に小さな傷をつけることも少なくはありません。
もし毎日化粧水コットンをするとしても、ふとした瞬間にコットンで擦るなどの刺激が加わりそれが積み重なることで、皮膚を刺激炎症を起こしてしまいます。
それは長い目で見ると将来のシミやシワの原因になってしまいます。
(※1)(※11)
デメリット2、使用量が多くなる
コットンでパッティングを行う場合、刺激を少しでも抑えるために、コットンをひたひたになるまで染み込ませて使う必要があります。
そのため1回分の化粧水の使用量がどうしても多くなってしまうので、手で行うよりもコストパフォーマンスが悪くなってしまいます。
(※4)
デメリット3、赤ら顔になりやすい
コットンで頻繁に肌をパッティングをしていると、毛細血管が赤く浮き出てくることがあり、赤ら顔を招いてしまいやすくなります。
もともと赤ら顔の人などは、パッティングをすることで余計肌を刺激してしまうのでなるべく手で行うようにしましょう。
(※11)
コットンで化粧水をつける効果的なやり方と注意点
アンチエイジング的に考えると、オススメしたいのは「手」です。しかし、
いつもコットンでしているから絶対コットンがいい!!!
月に何度かはコットンでつける日を作りたい!!
など、どうしてもコットンを使用したい場合は、少しでも肌の負担を減らせるように、再度やり方を見直してみましょう。
上でも話した通り、肌への刺激を少しでも和らげるために化粧水をたっぷりとコットンで浸し、肌への摩擦を減らします。
人差し指と薬指でコットンを挟み込み、薬指と中指がコットンで隠れるように持ちましょう。
お顔の中心部分から外側に向かって、優しくコットンで化粧水を滑らせ肌になじませます。
この時決して力を入れてこすらずにしないよう注意しましょう。
全体までなじませたら、小鼻のわきや目の下のきわなど乾燥しやすいところや細部までなじませます。
細かい部分の時は、人差し指と薬指でコットンを挟み込み、中指がコットンに隠れるように持ちましょう。
全てに化粧水をなじませたら、最後は頬と額を、お顔の体温が下がるまで優しくパッティングしましょう。
力強くペチペチと叩かないよう気をつけましょう。
注意点
・肌の上で強くこすらないように
・買い置きの古いコットンよりも新しい物を使うようにする
・叩きすぎは注意。ほどほどに。
オススメはコットンパック
パッティングも肌が柔らかくなり効果的ですが、実はコットンパックを行うことで、角質を柔らかくふっくらさせることができます。
コットンパックで角質を潤わせることで、その後に使う美容液やクリームの浸透力も高まり保湿効果も高まります。
肌をふっくら!コットンパックのやり方
コットンに化粧水を500円玉ほどの大きさに数カ所に垂らし、隅々まで湿らせます。
節約したい場合は、先ほども紹介したようにコットンを水で濡らして絞らせ、化粧水を上から垂らします。
コットンは裂くことができるため、1枚丸々1箇所に使うのではなく3〜5枚ほどに裂いて地肌に密着させましょう。
1回に使うコットンの量はコットンの厚さにより、だいたい1〜3枚程度です。
このとき目・鼻の穴・口部分には置かないようにしましょう。
※10分以上置いておくと乾燥を招く場合もありますので、コットンが乾き始める前に終わらせるようにしましょう。
コットンを剥がしたら、手のひらで全体を優しく包み込んで押さえるようにして化粧水を肌になじませましょう。
水は水分が少ない方に移動する性質があるため、十分に湿っていないコットンを肌に乗せてしまうと、せっかく潤いを取り戻した水分をコットンが奪ってしまう場合も!
コットンをひたひたに濡らした状態で行うようにしましょう。
(※12)(※13)
肌状態に合わせてコットンか手か最適な方を選ぼう
手で行うやり方も、コットンで行うやり方も、どちらにもメリットデメリットはあります。
また、コットンを用いないといけない化粧水などもありますので、一概に全ての化粧水を手で行うのがオススメだというわけでもありません。
以下のような場合は、それぞれを使い分けるよにしましょう。
手がオススメな人
・赤ら顔の人
・ニキビなどの肌トラブルがある人
・しっとりとしたとろみのあるテクスチャーの化粧水を使う場合
コットンがオススメな人
・乾燥肌でない
・拭き取り化粧水を使う場合
・サラサラの水っぽいテクスチャーの化粧水を使う場合
どちらかを使い分けたい場合は、しっかりと自分の肌状態や目的に合わせて行うようにしましょう。
(※1)小西さやか・櫻井直樹著『すっぴんも、メイク後もキレイな人の習慣 効果が9割変わる「化粧品」の使い方』青春出版社 2015年
(※2)吉木伸子著「素肌美人になるための スキンケア美容医学事典」池田書店 2015年
(※3)宇津木龍一著『「肌」の悩みがすべて消えるたった1つの方法』青春出版社 2013年
(※4)一般社団法人 日本化粧品検定協会監修 小西さやか著「コスメコンシェルジュを目指そう 日本化粧品検定1級対策テキスト コスメの教科書 第2版」主婦の友社 2016年
(※5)吉木伸子・岡部美代治・小田真規子監修「素肌美人になれる 正しいスキンケア事典」高橋書店 2011年
(※7)滝川エステティック学院 滝川エステティック技術開発研究所監修「エステティック用語辞典」ザ・ビューレック社 2008年
(※8)鈴木一成・朝田康夫監修「化粧品のすべてがわかる コスメティックQ&A事典 全面改訂最新版」 中央書院 2011年
(※10)香粧品化学研究開発専門誌フレングランス
(※11)吉木伸子著「一生ものの素肌をつくる 正しいエイジングケア事典」高橋書店 2012年
(※12)一般社団法人 日本化粧品検定協会監修 小西さやか著「コスメコンシェルジュを目指そう 日本化粧品検定2級・3級対策テキスト コスメの教科書 第2版」主婦の友社 2016年
(※13)尾花けい子・朝日光輝著「あなたの美を引き出す 正しいヘア&メイク事典」高橋書店 2013年
【参考URL】
(※6)https://annex.jsap.or.jp/photonics/kogaku/public/39-11-kaisetsu3.pdf
(※9)https://www.jstage.jst.go.jp/article/sccj/45/4/45_329/_pdf