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化粧品に使われている合成界面活性剤とは?その種類と選び方

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この記事を書いた美容ライター

沢辺ひかり

2017年に化粧品検定1級を取得。テレビ局に勤務後にエステティシャンへ転職。現在は美容ライターとして活動してます。

はな子
先生〜。最近知ったんですけど化粧品って、「合成界面活性剤」が含まれてるんですよね?怖い…。
美神先生
あら、どうして怖いの?
はな子
え〜!?だって、皮膚刺激が強くで、有害なものだし…。
美神先生
そういうイメージをもつ人も多いわね…。でも、私たちの生活の中のあらゆるシーンで合成界面活性剤って使われているの。切っても切れない密接な関係なのよ?
はな子
そうなんですか!?合成界面活性剤ってどんなものなんでしょう…。怖いイメージだけどよく考えたら何も知らない…。
美神先生
有害なものもあるけど、もちろんそうじゃないものもあるわ。今回は合成界面活性剤について詳しいことを紹介していくわ。

界面活性剤はどんな働きをするの?何に使われている?

界面活性剤は「水になじみやすい部分」と「油になじみやすい部分」をあわせ持っていて、水と油のように混ざらないものをまざりやすくします。

その特性をいかして、洗浄剤や浸透剤、乳化剤などとして使われます。

美神先生
シャンプーやリンスなどのヘアケア製品、クレンジングや洗顔料、化粧水や乳液、クリーム、メイクアップ用品、そして台所洗剤や洗濯洗剤など・・・身近ないろんなものに使われているわ。

大きく分けると、大豆などに由来する「天然」と主に石油を原料とする「合成」に分けられますが、「天然」は品質が安定せず加工しにくと言われています。

そこで、ほとんどの化粧品には安価で、加工した時に“望む効果”を出せる「合成」の界面活性剤が使われています。

化粧品にはどうして界面活性剤が必要なの?

例えば、メイクなどの油性の汚れを落とす場合、水だけでは落ちません。

油分ででメイクを浮かせて、そのあとに肌に負担をかけなようにさっと水で洗い流す必要がありますよね。

その両方をかなえるには、水にも油にもなじむ界面活性剤の存在が不可欠なのです。

また、乳液やクリームでも、美容成分を含んだ水分と油分を乳化させて混ぜ合わせ、良い状態のままで使い続けるために必要です。

美神先生
肌に乗せた時になめらかな感触を与えたり、奥まで潤いを届けるのも、界面活性剤の大切な役割なの。

このように化粧品にはできるだけ肌に負担をかけない使い心地や、しっかり洗浄する、美容成分をきちんと届ける、その状態で使い続けられるといった品質が求められています。これらを叶えるために合成界面活性剤が使われています。

はな子
満足できるスキンケアのためには、なくてはならない存在ということなんですね。

(※1)(※3)(※9)

肌に悪い?安全性は?

はな子
必要なものだというのはわかったけど…やっぱりちょっと怖いですね…。
美神先生
そうね…。実際化粧品などに使われている合成界面活性剤の中でも、肌に刺激を与えるものが使われていることもあるの。

中でも、「旧表示指定成分」には注意が必要です。これは、アレルギーや湿疹、発がん性が報告され、毒性の強いものだと言われている成分103種類です。

2001年に、化粧品に使われている成分は全て表示されるようになりました。それ以前は、この103種類の指定成分を含む場合に、表示することが決められていました。そういった理由で、今は「旧表示成分」とよばれています。

自分で成分を確かめよう

現在は、化粧品に使われている成分の全てを表示することが義務付けられていて、パッケージなどに記してあります。

美神先生
全成分表示はいわば、「全て表示しているんだから自分で責任を持って選んで!」と言っているようなものなの。
はな子
ちゃんと自分で理解して、安全なのかどうか、自分に合うのかどうか自ら判断することを私たちは求められているわけだ…。

避けるべし!旧表示指定成分の合成界面活性剤リスト

「旧表示指定成分」は肌トラブルの報告があった成分なので避けた方がよいでしょう。

次に並べたのは、「旧表示指定成分」にあげられている合成界面活性剤です。化粧品の購入の時に、配合されてないものを選ぶようにしましょう。

塩化アルキルトリメチルアンモニウム
塩化ジステアリルジメチルアンモニウム
塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム
塩化ステアリルトリメチルアンモニウム
塩化セチルトリメチルアンモニウム
塩化セチルピリジニウム
塩化ベンザルコニウム
塩化ベンゼトニウム
塩化ラウリルトリメチルアンモニウム
塩酸アルキルジアミノエチルグリシン
酢酸ポリオキシエチレンラノリンアルコール
臭化アルキルイソキノリニウム
臭化セチルトリメチルアンモニウム
臭化ドミフェン
セチル硫酸ナトリウム
直鎖型アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム
ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸塩類
ポリオキシエチレンラノリン
ポリオキシエチレンラノリンアルコール
ラウリル硫酸塩類
ラウロイルサルコシンナトリウム

結局、合成界面活性剤って安心して使えるの?

かつて有害な合成界面活性剤を含んだ洗剤が出まわり、合成界面活性剤は体や環境に害を及ぼすものとして悪いイメージが定着しました。

しかし最近では界面活性剤自体、安全性の高いものへとどんどん改良が進んでいます。そしてメーカー側も刺激の少ないものを用いる流れが主流になっています。

洗浄剤などは、より低刺激な界面活性剤が使われるようになり、化粧水やクリーム、乳液などはもっとも穏やかなタイプのもので作られています。

はな子
ということは、…?
美神先生
使用量を守れば、安心して使えると言っても大丈夫よ!

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合成界面活性剤の種類

そもそも、化粧品に含まれる合成界面活性剤ってどんなものがあるのでしょう。大きく以下の4つのタイプに分けることができます。
 

 

種類 特徴 用途
アニオン界面活性剤 ○水にとけると陰イオンになる性質を持つ。

○泡立ちが良い。

洗濯用洗剤、シャンプー、ボディソープなど
カチオン界面活性剤 ○水にとけると陽イオンになる性質を持つ。

○柔軟効果や帯電防止効果がある。

ヘアリンス、衣類用柔軟剤など
両性界面活性剤 ○皮膚への刺激が低い。

○洗浄力や殺菌力、帯電防止効果、柔軟効果がある。

シャンプー、ボディソープ、台所用洗剤など
ノニオン界面活性剤 ○水にとけた時にイオン化しない。

○安全性が高い。

○浸透性、乳化、洗浄力などに優れている。

化粧品、衣類用洗剤など

アニオン界面活性剤(シャンプーや洗顔料、ボディソープなど)

泡立ちがよく、シャンプーや洗顔料、ボディソープなどに使われています。合成洗剤の多くがアニオン界面活性剤でできています。

最近では低刺激のものも増えています。

刺激の少ないアニオン界面活性剤

洗顔料やシャンプーを買う時に以下のリストを参考に、できるだけ刺激の少ない成分を選んでください。

N-アシルアミノ酸塩類

安全性、洗浄力に優れていて、洗顔料やシャンプーに使われています。

【表示で書いてある代表的な成分名】
ココイルグリコシンK
ココイルグルタミン酸K
ココイルグルタミン酸Na
ココイルグルタミン酸TEA
ココイルサルコシンNa
ココイルメチルタウリンNa
ステアロイルグルタミン酸Na
ステアロイルチルタウリンNa
パーム脂肪酸グルタミン酸Na
パルミトイルサルコシンNa
ミリストイルグルタミン酸K
ラウロイルメチルアラニンNa
ラウロイルメチルタウリンNa
アルキルリン酸エステル塩

刺激が少なく、肌にやさしい。洗顔料やボディソープに使われています。

アルキルエーテルリン酸エステル塩

刺激が少なく、肌にやさしい。洗顔料やボディソープに使われています。

ラウレス硫酸ナトリウム

皮膚や目の粘膜への刺激がほとんどない。シャンプーやボディソープに使われています。

アルキルエーテルカルボン酸塩

低刺激で人や環境に対して非常に安全。ボディソープなどに使われています。

ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩(AES)

皮膚や目への刺激が少ない。シャンプーなどに使われています。

ココイルイセチオン酸ナトリウム

脱脂力が低めでマイルド。ボディソープやシャンプーなどに使われています。

カチオン界面活性剤(ヘアコンディショナーやリンスなど)

カチオン界面活性剤は刺激が強いものが多いのが特徴です。

主にヘアコンディショナーやリンスに使われています。髪のくし通りをよくし、なめらかに整えます。また、ツヤを出したり帯電防止の働きもあります。

刺激の少ないカチオン界面活性剤

リンスやコンディショナーなどを買う時に以下のリストを参考に、できるだけ刺激の少ない成分を選んでください。

ステアラミドプロピルジメチルアミン

カチオン界面活性剤の中では皮膚や髪に低刺激。ヘアコンディショナーなどに使われています。

両性界面活性剤(クレンジングや洗顔料、シャンプーなど)

皮膚への刺激が少ないタイプです。

洗浄力とともに殺菌力や柔軟効果もあるので、クレンジングや洗顔料、シャンプーなどに使われています。

刺激の少ない両性界面活性剤

アルキルイミダゾリニウムベタイン

洗浄性が高く、皮膚や目の刺激がほとんどなく安全性が高い。ベビーシャンプーなどに使われています。

ココアンホ酢酸ナトリウム

皮膚や髪に刺激が少ない。肌に潤いを与えたり柔軟にしてくれる。マイルド処方の洗顔料やシャンプーに使われています。

ラウラミドプロピルベタイン

高い洗浄力と帯電防止効果があり、低刺激。クレンジングや洗顔料、シャンプーやリンスなどにも使われています。

ノニオン界面活性剤(化粧水や乳液、クリーム、美容液など)

ほかの合成界面活性剤と比べてもっとも刺激が少ないのがこのノニオン界面活性剤です。化粧水や乳液、クリーム、美容液などに使われています。

刺激の少ないノニオン界面活性剤

ノニオン界面活性剤の中でも刺激の少ないと言われているものをリストアップしています。参考にされてください。

グリセリン脂肪酸エステル

食品添加物としても認められていて、安全性は高い。化粧品の乳化剤としても利用されています。

高級脂肪酸PEGグリセリル類
【表示で書いてある代表的な成分名】
イソステアリン酸PEG-20グリセリル
ステアリン酸PEG-5グリセリル
トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル
ヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリル
コカミドMEA

洗浄力が強く、洗顔フォームやシャンプー、ボディソープなどに広く使われています。

ショ糖脂肪酸エステル

食品添加物としても認められていて、安全性は高い。化粧品の乳化剤としても利用されています。

水添ヒマシ油類

植物由来で安全性は高い。乳液やクリームなどの乳化、オイル成分を透明な化粧水や美容液に配合するときなどに利用されています。

【表示で書いてある代表的な成分名】
PEG-10水添ヒマシ油
PEG-50水添ヒマシ油
PEG-60水添ヒマシ油
PEG-100水添ヒマシ油
ソルビタン脂肪酸エステル

食品添加物としても認められていて、安全性は高い。化粧品の乳化剤としても利用されています。

テシルグルシコド

界面活性効果が弱く、非常にマイルドな成分。シャンプーやボディソープなどに使われています。

テトラオレイン酸ソルベスー30

油によく溶ける性質があり、クレンジングオイルなどに配合されています。

ヘベネス-30

保湿性があり、伸びの良い乳化物ができる。

ポリオキシエチレンポリオキシプロプレングリコール

毒性が弱く、皮膚に対する刺激も少ない。化粧品の乳化剤、洗浄剤などに使われています。

ポリソルベート類

品質が安定していて乳化剤として優れた働きをすることから、幅広く用いられています。

【表示で書いてある代表的な成分名】
ポリソルベート20
ポリソルベート60
ポリソルベート80
ポリソルベート85
ラウラミドDEA

増粘効果や増泡効果があり、シャンプーやボディソープなどに使われています。

その他成分

ステアルトリモニウムクロリド
セトリモニウムクロリド
 など

(※1)~(※4)(※6)(※8)(※9)(※12)

化粧品の選び方と使い方

パッケージの成分表示は、配合量の多い順に書いてあります。刺激の強い成分はできるだけ後ろの方に書いてあるものを選ぶなどしてください。

美容効果の高い成分ばかりたくさん入っている場合は別ですが、成分の数もおおよそ20種くらいまでを目安にして選んでください。

あまり多いと、刺激が強くなる場合があります。

美神先生
なるべく肌に優しい合成界面活性剤が使ってあるものを選び、実際にいくつか試してみて自分の肌に合うものを探すことをオススメするわ。

合成界面活性剤を含む化粧品を使うときの注意

特に合成界面活性剤の影響が気になるクレンジングと洗顔について、選び方のポイントと正しい使い方についてご紹介します。

クレンジング

クレンジングは主に、油分と界面活性剤でできています。ですから、クレンジング選びはとても大事です。

乳液タイプ

ローションタイプ

ジェルタイプ

クリームタイプ

オイルタイプ

シートタイプ

肌への負担はこの順で、下に行くほど負担が大きくなっていきます。

しっかりメイクをしている時は、クリームタイプ乳化している白いジェルタイプが良いでしょう。

美神先生
オイルタイプは強力にメイクを落としますが、界面活性剤の量が多いのでオススメできないわ。

なお、クレンジングをする際は、こすらないように優しくするように心がけましょう。

洗い流すまでの時間は40秒以内で行い、使用量を守り素早く行いましょう。

はな子
クレンジングは毎日のスキンケアで一番肌に負担がかかるステップなんですよね。
美神先生
その通り。だから肌に長い時間クレンジング剤をのせておくのは乾燥も招くしNGよ。

洗顔

洗顔は皮脂や汚れをしっかり落とすのが目的です。

クリーム状のものや、泡タイプのものなど色々なタイプが売られていますが、中でも一番オススメなのは固形石鹸

固形石鹸にはメーカーにもよりますが、比較的添加物があまり含まれておらず、一番肌に負担をかけないとされています。

美神先生
洗顔も肌に負担をかけるプロセスなので素早く行うのが重要よ。
はな子
ネットなどを使ってたっぷり泡立てたら、汚れを包み込むように優しく肌の上を滑らせるといいですね!
美神先生
バッチリよ。ニキビなどの原因にならないよう、洗い残しがないようかみの生え際やフェイスラインもしっかりすすいでね

(※4)(※5)

正しく選んでうまく活用しよう

美神先生
どう?合成界面活性剤について、少しはわかってもらえた?
はな子
はい!全てが悪いものなわけじゃなく、私たちの暮らしには欠かせない存在なんですね、合成界面活性剤って。
美神先生
そういうこと。それなら、よく選んで正しく使って、うまく活用していきたいわよね。
はな子
なるべく肌に負担の少ないものを自分で選べるように、帰って復習します!
美神先生
ええ。それがいいわ。頑張って!
【参考文献】
(※1)宇山侊男・岡部美代治編『化粧品成分ガイド第5版』フレグランスジャーナル社、2011年
(※2)宇山侊男・岡部美代治・久光一誠編『化粧品成分ガイド第6版』フレグランスジャーナル社、2017年
(※3)宮澤三雄『コスメティックサイエンス 化粧品の世界を知る』共立出版2015年
(※4)吉木伸子『素肌美人になるためのスキンケア美容医学事典』池田書店2015年
(※5)(※10)吉木伸子・岡部美代治・小田真規子『素肌美人になれる正しいスキンケア事典』高橋書店2011年
(※6)朝田康夫『最新改訂版美容皮膚科学事典』中央書院2016年
(※7)一般社団法人 日本エステティック協会教育研究委員会著作・監修「認定ボディエステティシャン 認定フェイシャルエステティシャン 知識と例題」日本エステティック協会 2012年
(※8)鈴木一成・朝田康夫監修「化粧品のすべてがわかる コスメティックQ&A事典 全面改訂最新版」 中央書院 2011年
【参考リンク】
(※9)日本界面活性剤工業会(2017/06/13検索)
(※10)洗浄剤分野の製品 | 界面活性剤などスペシャリティーケミカルの日本サーファクタント工業(2017/06/07検索)
(※11)化粧品・医薬部外品等ホームページ |厚生労働省(2017/06/13検索)
(※12)日本オーガニックコスメ協会(2017/06/13検索)
(※13)表示指定成分について知りましょう | やさしい全成分表示 | 生産体制 | 企業情報 | ポーラ公式 エイジングケアと美白・化粧品のPOLA(2017/06/07検索)

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